サラリーマンでも正しい節税を知っていれば、毎年数万円の手取りを増やすことができます。税金や社会保険料は自動で引かれる一方、控除を使わないと払い過ぎてしまうからです。
会計事務所に勤務経験のある私が、初心者でもすぐ行動できる方法を紹介します。本記事を読むことで、余計な支出を防ぎ、安心して節税が始められます。
この記事で理解できること
- サラリーマンが知っておきたい節税の仕組み
- サラリーマンの節税対策
- サラリーマンの節税対策5選
- iDeCoやNISAの節税活用
- サラリーマン年収別節税シミュレーション
最後まで読んでください。
サラリーマンが知っておきたい節税の仕組み

節税を理解する第一歩は、税金の計算方法です。仕組みを知らないままでは、受けられるはずの控除を逃してしまいます。まずは、全体像を押さえることが大切です。
ここでは、まず次の2点を押さえましょう。
- 節税とは何か
- 控除の仕組み
1.節税とは何か
課税対象となる所得を減らし、税の負担を軽くするのが節税です。収入から差し引ける控除を利用したり、必要経費を適切に計上したりすることで実現できます。
2.控除の仕組み
税金を計算するときに一定の金額を差し引ける仕組みです。控除を使えば、同じ収入でも支払う税金が少なくなり、手取りが増えます。控除には大きく分けて2種類があります。
- 所得控除:収入から差し引く(例:基礎控除、医療費控除、生命保険料控除)
- 税額控除:税額から直接差し引く(例:住宅借入金等特別控除、配当控除)
参考:「所得控除のあらまし」国税庁
「税額控除」国税庁
一般に「所得控除」は誰でも使えるが効果は小さめ、「税額控除」は条件が限られるが効果が大きいのが特徴です。
サラリーマンの節税対策

「額面はそれなりにもらっているのに、手取りが少ない」と感じるサラリーマンは多いのではないでしょうか?これは、税金や社会保険料が自動的に差し引かれているからです。ここからは、押さえておきたい手取りの仕組みを解説します。
サラリーマン手取り額の仕組み
額面(会社が提示する給料総額)と手取り(実際に受け取る給料)の差は
手取り=額面−(所得税+住民税+社会保険料)で表せます。
所得税、住民税、社会保険料は自動で天引きされる形になります。
サラリーマンができる節税は控除の活用
所得控除と税額控除がサラリーマンが狙う節税方法です。社会保険料は給与額に応じて決まるため、自分で減らすことはできないからです。適正に2つの控除を活用することで、給与額は同じでも差し引く税額を減らせます。
サラリーマンの節税対策5選

節税には多くの控除や優遇制度がありますが、すべてを把握するのは大変です。ここではサラリーマンでも取り組みやすい代表的な制度を5つに厳選して紹介します。
控除一覧
| 区分 | 控除の種類 | 内容のイメージ |
| 所得控除 | 基礎控除 | すべての納税者が対象 |
| 所得控除 | 扶養控除 | 扶養家族がいる場合に軽減 |
| 所得控除 | 配偶者控除 | 配偶者の所得が一定以下なら軽減 |
| 所得控除 | 医療費控除 | 医療費が年間10万円超の場合に利用可 |
| 所得控除 | 生命保険料控除 | 保険料の支払いに応じて軽減 |
| 所得控除 | 社会保険料控除 | 健康保険・年金など支払分を控除 |
| 税額控除 | 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除) | 住宅ローン利用で税額を直接減額 |
| 税額控除 | 配当控除 | 株式の配当所得に対する税額軽減 |
| 税額控除 | ふるさと納税(寄附金控除) | 自治体への寄附で次年度税金が控除 |
1.生命保険料控除
支払った保険料に応じて所得控除を受けられる制度です。この控除を使うと課税対象の所得が減り、結果的に手取りが増えます。控除を受けるには、年末調整で保険会社から届く控除証明書を提出してください。
参考:「生命保険料控除」国税庁
2.医療費控除
1年間で支払った医療費が多かった場合、医療費控除を使えば課税所得を減らせます。控除できる金額は「支払った医療費-保険金などで補てんされた額-10万円(所得200万円未満は所得の5%)」です。
例えば、年間医療費が30万円、保険金で5万円補てんされた場合は「30万円-5万円-10万円=15万円」が控除対象となります。病院の領収書や薬局のレシートを集め、年間の合計が10万円を超えたら確定申告で申請しましょう。
参考:「医療費控除」国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm
3.住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)
マイホームを購入して住宅ローンを組んだ人は、住宅ローン控除で所得税を減らせます。控除額は年末のローン残高の0.7%で、最長13年間受けられる仕組みです。
たとえば残高が3,000万円なら、(3,000万円×0.7%=21万円)最大21万円が税額控除されます。対象になる人は、確定申告や年末調整で忘れずに申請しましょう。
参考:「認定住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)」国税庁
4.ふるさと納税
自分が応援したい自治体に寄付すると、寄付額のうち2,000円をこえる部分が所得税や住民税から控除される制度です。総務省によると、控除上限は年収や家族構成によって変わります。シミュレーターで控除上限額を調べることもできます。
参考:「ふるさと納税の控除上限額(限度額)がわかるシミュレーション&早見表」さとふる
寄付額の3割額以内相当の返礼品が受け取れるのがお得です。次年度の税負担も軽くなるので人気です。ふるさと納税を詳しく知りたい方は、下記のリンクを参考にしてください。
サラリーマンのふるさと納税のやり方 スマホで完結する簡単な方法
5.iDeCoとNISA
資産づくりを考えるなら、税制優遇がある制度を活用することが効果的です。iDeCoは掛金が全額所得控除となり、節税と老後資金の準備を同時に進められます。
NISAは投資による利益が非課税で、少額から始めやすい仕組みです。どちらも目的が異なるため、生活設計に合わせて組み合わせることが大切です。
iDeCoやNISAの節税活用

iDeCoとNISAは、資産形成をしながら節税できる代表的な制度です。両制度は国が後押しする仕組みで、将来の備えと節税を同時に進められます。投資初心者であっても少額から始められることが大きな利点です。
iDeCoの活用法
掛金が全額所得控除となり、節税しながら老後資金を増やせる制度です。運用益も非課税で、受取時も控除があり、長期的に大きな効果が期待できます。ただし、60歳まで引き出せない制約や、口座管理手数料がかかるといったデメリットがあります。
NISAの活用法
投資で得た利益に税金がかからない制度がNISAです。通常は株式や投資信託の利益に20.315%の税金がかかりますが、NISAなら免除されます。積立設定を活用すると、少額からでも始めやすいです。ただし、損失が出ても他の口座との損益通算はできません。
サラリーマン年収別節税シミュレーション

年収に応じて、手元に残るお金の差は大きく変わります。特にふるさと納税とiDeCoは取り入れやすく、節税効果も高い制度です。
これから年収別にシミュレーションを示すので、自分の収入に合った節税の可能性をイメージできます。今日から取り組める一歩が見つかるでしょう。
独身30歳の場合 ※iDeCoは安全運用で利率3パーセントの場合
| 年収 | ふるさと納税上限(目安) | iDeCoの節税効果(毎月1万円積立) | 年間節税額合計 |
| 300 | 25,000 | 18,000 | 43,000 |
| 500 | 57,000 | 24,000 | 81,000 |
| 700 | 104,000 | 36,000 | 140,000 |
| 900 | 149,000 | 36,000 | 185,000 |
年収や家族構成により金額は変化します。下記にシミュレーションリンクを貼っていますので、ご自身の状況に合わせて試算してください。
参考:「ふるさと納税の控除上限額(限度額)がわかるシミュレーション&早見表」さとふる
「節税シミュレーション」Rakuten楽天証券
まとめ

税金の仕組みを知り、控除を上手に活用することはサラリーマンの手取りを守る第一歩です。制度を理解するだけでは意味がありません。
次の確定申告や年末調整で、まずは一つ試してみましょう。ふるさと納税やiDeCoのように始めやすいものから試すと、節税効果を実感できます。
今日から準備を進めることが、将来の安心につながります。
